ネイル検定3級の概要
ネイル検定3級(ネイリスト検定3級)は、プロのネイリストを目指す方のための最初のステップです。この資格は、「ネイルケア」や「ネイルアート」の基本的な技術を持っていることを証明します。サロンでの就職や開業を目指すためには欠かせない基礎的なスキルです。試験では、事前審査、実技、筆記の3つのセクションで技術や知識を評価されます。
ネイル検定とは?
ネイル検定(ネイリスト検定)は、公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センターが実施する資格試験です。1990年代に開始されて以来、国内外で信頼性のある資格として約99万人が受験してきた歴史があります。検定は3つのレベル(3級、2級、1級)があり、まずは3級から順に合格していく必要があります。3級では、ネイルケアとアートの基本技術を学び、プロネイリストとしての土台を築くことが求められます。
ネイル検定3級の試験内容
▼事前審査
事前審査では、試験前の準備が正しく行われているかを確認します。ここでは「テーブルセッティング」「消毒管理」「モデルの状態確認」「ネイルの事前準備」について評価されます。
▼ テーブルセッティング
- 用具の準備:テーブル上には、消毒剤、コットン、ポリッシュリムーバー、液体ソープ、カラーポリッシュ、ベースコート、トップコート、ウェットステリライザーなどを整然と配置します。
- ラベル貼り:各用具には、正しい品名ラベルを貼り付けます。品名ラベルがない、またはアルファベット表記のラベルは減点対象となります。
▼消毒管理
- ウェットステリライザーの準備:ウェットステリライザーには、コットンやガーゼを敷き、その上にウッドスティック、キューティクルニッパー、メタルプッシャー、ピンセットをセットします。消毒液をしっかり入れておき、道具全体が消毒されるようにします。
- 手指の消毒:試験開始前に、モデルと自分の手指を消毒します。液体ソープや消毒液を用いて、感染予防を徹底します。
▼モデルの状態確認
- 爪や皮膚の健康状態:事前にモデルの爪や皮膚の状態を確認し、疾患や異常がないかをチェックします。モデルの爪に異常がある場合、受験できないので注意が必要です。
- 認定モデルハンド:2023年秋から、JNEC認定モデルハンドを使用した受験が可能になりました。認定ラベル付きのモデルハンドを用意し、傷や汚れがない状態に整えておきます。
▼ネイルの事前準備
- ナチュラルネイルの状態:モデルの爪はナチュラルネイルをベースとし、イクステンションやリペアは2本以内とします。
事前施術の禁止:試験の1週間前からファイルやキューティクルクリーンなどの施術は禁止されています。試験前日には、赤いポリッシュを10本の爪に塗布しておく必要があります。
実技審査
実技試験では、「ネイルケア」「カラーリング」「ネイルアート」の3つの工程を65分以内で行います。それぞれの小項目に分けて説明します。
▼ネイルケア
- 手指の消毒:試験が始まったら、最初にモデルと自分の手指をしっかり消毒します。手指消毒用の液体ソープを使用し、感染リスクを避けるために徹底します。
- ポリッシュオフ:赤いポリッシュをリムーバーで丁寧にオフします。爪や皮膚を傷つけないように注意し、しっかりとオフします。
- ファイリング:ネイルファイルを使用して爪の形を整えます。スタイリングは「ラウンド」とし、フリーエッジの長さは5mm以下にします。爪全体の形を均一に整えるのがポイントです。
- ブラシダウン:ファイリング後に、爪に付着したダストをブラシで払い落とします。ブラシダウンは丁寧に行い、細かな粉を取り除くことが求められます。
- キューティクルクリーン:フィンガーボウルを使ったウォーターケアのみ許可されています。キューティクルニッパーを使って10本の爪すべての甘皮を丁寧にケアします。
▼カラーリング
- ベースコートの塗布:爪の保護とカラーポリッシュの発色を良くするため、爪全体にベースコートを塗ります。はみ出さないように均一に塗布しましょう。
- カラーポリッシュの塗布:真赤のポリッシュを二度塗りします。パールやメタリックの入ったポリッシュは使用禁止です。エッジ部分にも塗り残しがないように、丁寧に仕上げます。
- トップコートの塗布:最後にトップコートを塗布し、爪にツヤを出します。トップコートを塗らないと減点対象となるため、必ず塗布します。
▼ネイルアート
- テーマ「フラワー」:赤いベースカラーの上に、フラワーモチーフのアートを施します。アクリル絵の具を使用し、筆のみを使ってデザインを描きます。
- ラメやラインストーンの使用:使用は許可されていますが、図案の持ち込み、シール、ドットペンの使用は禁止です。筆だけでフラワーデザインを仕上げることが求められます。
筆記試験
筆記試験では、衛生と消毒、爪の構造、トラブル対処、ネイルケアの手順などの基礎知識が問われます。30分間のマークシート形式で、合格ラインは100点満点中80点以上です。
試験内容のポイント
- 衛生管理:手指の消毒や用具の消毒方法、感染症の予防についての正しい知識を問われます。爪の構造:爪の各部位の名称や役割、健康な爪とトラブルの見分け方などを理解しておく必要があります。
- トラブル対処:爪の疾患やトラブルの種類について学び、適切な対処法を覚えておきましょう。
試験の難易度と求められる技術
ネイル検定3級は、基礎的なネイルケアとアート技術を身につけるレベルであり、合格ラインは50点満点中38点以上です。減点方式で採点されるため、ミスを最小限に抑え、時間内に全ての工程を丁寧に行うことが重要です。
合格へのアドバイス
- 事前審査の準備を徹底する:ウェットステリライザーの消毒状態や品名ラベルの貼り忘れに注意し、用具の準備を完璧に行いましょう。
- 時間配分を練習:実技試験では時間内に全工程を終えることが必須です。練習を繰り返し、効率的に進めることが合格の鍵です。
- モデルの選定:事前にモデルの状態を確認し、爪や皮膚に異常がないか確認します。認定モデルハンドを使う場合も、事前に整えておきましょう。
- 筆記試験対策:公式問題集を活用して、衛生管理や爪の構造などをしっかりと学びましょう。実技だけでなく、知識も合格には不可欠です。
まとめ
ネイル検定3級は、プロのネイリストになるための基本技術と知識を学ぶ重要なステップです。事前審査、実技、筆記の3つのセクションにおいて、正しい手順と知識が求められます。合格するためには、事前準備と繰り返しの練習が不可欠です。Colors Nail SCHOOLでは、3級合格に向けて未経験者でも安心して学べるカリキュラムを提供しています。プロのネイリストとしての第一歩を踏み出しましょう!